猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫コロナウイルス(FCoV)の変異によって引き起こされる致死的な病気です。FIPに対する承認された治療法はありませんが、一部の飼い主はGS-441524やモルヌピラビルなどの未承認の抗ウイルス薬を試しています。本研究では、GS-441524治療に失敗したり反応しなかったりしたFIPの猫に対するEIDD-2801の有効性と安全性を調査しました。
ある研究 (https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9612227/)では、GS-441524からモルヌピラビルに切り替えた20人の飼い主にアンケートを行いました。切り替えの理由は、治療の失敗/再発、反応のなさ、注射への不耐性、治療費の高さなどでした。GS-441524治療の平均費用は第1回目で3448.83ドル、第2回目で3509.09ドルでした。EIDD-2801治療の平均費用は、それに対して支払いを報告した4人の飼い主で1045ドルでした。こちらの計算機(https://www.fipcurerx.com/calc)で治療費の概算をすばやく得ることもできます。
結果は、20匹中17匹(85%)がモルヌピラビル治療後に臨床的寛解を達成し、平均期間は12.4週間であったことを示しました。3匹の猫は治療中または直後に死亡しました。最も一般的な副作用は嘔吐、下痢、体重減少でした。飼い主のほとんど(90%)はEIDD-2801での経験に満足していましたが、3人は非常に不満でした。
この研究は、GS-441524治療から利益を得られないFIPの猫にとってEIDD-2801が有望な代替薬である可能性があることを示唆しています。しかし、その有効性と安全性を確認し、飼い主の満足度に影響する要因を理解するためには、さらなる研究が必要です。
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